あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「まだ、よっぱらいか?」
と冷めた声がした。

その声の主がすぐにわかる私は恐る恐る振り返った。

「本当にすみません!」
とりあえず頭を下げる。

「本当だ。この酔っ払いが」
「本当にすみません・・・。ご迷惑をおかけしました。すぐ帰ります!」
私はそう言って自分のカバンを探す。

「あっ」
カバンを探しながら視線を移すと、私のカバンを手に持ちゆらゆらと揺らす心平先輩の姿が目に入った。

いつもとは違ってセットしていないサラサラな髪。黒のスエット姿も神々しい。
私以上にお酒を飲んでいたのに全くむくんでいない。