あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

私は運ばれてきた新しい料理を取り分けようと手を伸ばしながら先輩に聞いた。
「嫌いな食べ物、ありますか？」
「生魚」
「ほかには？」
「グリンピース。」
「ふふっ」
あまりに顔に似合わず、苦手な食べ物が幼稚で私は笑ってしまう。
「そういうお前は？」
「ゆでたにんじんとアボカドです。」
と答えると先輩はビールをぐいっと飲んでから笑った。
「お前も似たようなもんだな。まだまだ子供だ。」
「ですね」
「でも俺は我慢すれば食べられるぞ？」
「私もあまりかまずに飲み込めば食べられます。」
そんなやり取りも私たちは笑顔だ。

今日は先輩の表情が違う。いつもの仕事の時よりも穏やかな表情に見えるのはお酒を飲んでるから？