あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「あいつなりに、須藤を育てることに一生けん命みたいだから、須藤も頑張れよ。」
「はい。」
「こうして飲み会に顔を出すのも、自分の歓迎会以来じゃないかな。あいつ。」
「そうなんですか?」
「あぁ。今日になって急に参加するって言って来たらしいぞ?幹事に。さすがにペアの新人の歓迎会だからな。参加しないわけにはいかないと思ったんじゃないのか?」
石崎課長がハイボールを一口飲む間に私は心平先輩の方を見る。

もしかしたら私が二次会にしつこく誘われているのを聞いていて参加することに変えてくれたんじゃないかと思った。これは私は都合よく解釈しているだけなのかもしれない。でも、今日になって突然参加にかえるなんて、期待してしまう。

「これからもよろしくお願いします。」
私は石崎課長に頭を下げると自分の席に戻った。

「戻りました。」
「おう。」
先輩はあまり周囲の人とは話はせずに一人で黙々と食べて、飲んでいる。