あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

淹れてもらったコーヒーを一口飲む。
「おいしい・・・」
思わず漏らした言葉に先輩は「誰が淹れたと思ってんだ」と返した。

先輩の淹れてくれたコーヒーは私にとって少し甘すぎるほどだった。なのに、疲れている私にはちょうどいい。体にしみていくような味だった。

あったかい・・・

私は小さく深呼吸して再びタイピングを始めた。


「須藤、もうお前行け。」
6時前になり先輩はいつものように帰り支度も片付けも済ませていた。
私はまだデータの入力に時間がかかっていて上がれずにいると先輩が声をかけて来た。
「どうせ今日は定時で帰れないから俺がやっとく。お前、今夜の主役だろ?」
歓迎会のことを言っているのだと私はすぐにわかった。先輩は私を先に会場へ送りだそうとしてくれているのだ。
「あと少しなんです。」