「須藤さん」
「はい」
「あっ桐谷さん」
周りの社員もまだ知佳が桐谷になったことに慣れていない。
「いいんです。須藤で。」
知佳がそう言って笑うと知佳を呼んだ社員は申し訳なさそうに笑った。
「なにか手伝いますか?」
「資料作り、手伝っていただいてもいいですか?」
「了解しました」
「ありがとうございます」
「いいえ」
ふと自分の机を見ると知佳はかなり資料が山積みなっていて今にも雪崩が起きそうになっていることに気が付いた。
「もしかして、これを見て手伝いに来てくださいました?」
「・・・はい」
心平が部署を移動することになった時にいた社員はいまだに知佳の机が荒れてくると手伝いを申し出てくれた。
「ありがとうございます。すみません。」
知佳は心から感謝を伝えてから、資料作りをはじめた。