あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「知佳っ!?」
リビングから音がして私が寝室から顔を出すと心平がほっと胸をなでおろしていた。
「置いて行かれたかと思った」
「んなわけないでしょ?」
「だよな」
腰にタオルを巻いている心平。かなり慌ててシャワーを浴びてきたことが伝わり私は思わず笑ってしまった。
「まだか?」
「うん。」
「着替えしてくる。」
「頭も乾かしてきて」
「・・・後でな」
そう言って再び心平は着替えるために寝室へ急いで向かった。

こんなに慌てている心平、はじめて見たかもしれない。

「・・・痛い・・・」
再び陣痛の波が来て私はお守りを握りしめたままダイニングテーブルに手をついて痛みを逃そうとする。