保健室で眠っている知佳の寝顔を見た時から俺が知佳のとりこになっていたみたいに、生まれる前からこの小さな存在は俺をとりこにする。不思議な存在だ。

「そっか。そうだね」
俺の言葉が知佳にも届いたらしく知佳は目を閉じた。

「幸せだね」
「あぁ。」
「このまま眠りたい」
「いいよ。ベッドに運ぶのが俺の役目ですから。」
「ふふっ・・・」
知佳はそう言って微笑みながら安心したように眠った。

今度こそ朝までゆっくり眠れるように・・・

そんなことを考えながら俺は知佳の体を抱きしめ、知佳が完全に眠りにつくまでその寝顔を見つめた。