あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「わかった。明日石崎部長と相談しよう。」
「・・・うん」
知佳は俺の胸に自分の頭をもたれさせた。
「ダメだね」
「ん?」
「私・・・」
「何が?」
知佳はこうして自分自身に厳しくしすぎて自分を責める癖がある。こんな時は俺の出番だ。

「だって、つわりくらいで仕事休むなんて・・・」
「こんなにしんどい思いしてんだ。休んでもいいだろ?俺なら休むぞ?」
「・・・でもつわりでも仕事をしてる人たくさんいるのに・・・ただでさえ外回りできなくて迷惑かけてるのに・・・」
男の俺からすると本当に申し訳ない。二人の子供なのに。生まれるまではなにもかも背負っているのは女性だ。体がつらいのも。何かをあきらめることも我慢することも。周りの協力なしでは出産までたどり着けない。そのために協力をしてもらって頭を下げるのも女性が背負ってしまう。不甲斐ない。
「ごめんな」
いつもなら彼女が前を向けるように、もう一度胸を張れるようにかける言葉も、今は思いつかない。