隣で眠る知佳を見る。
いまだにまだ信じられない。

ずっとこの腕の中に閉じ込めておきたいとさえ思った。

出合ったのは高校生の頃。まだまだあどけない表情の彼女が今ではもうすぐ母親になろうとしている。しかも俺との間にできた子供の母親だ。

自覚はなくてもきっと出会ったあの時から俺は知佳のとりこになっていたのだと思う。

俺自身を見てくれている彼女。
俺の内面をちゃんとみて、ありのままで接してくれる彼女。

保健室で眠る彼女の寝顔を今でも思い出す。


俺はそっと隣で眠る知佳の頬を撫でた。