「こっちは靴から見えるから、帰ったら自分でどうにかしろよ?」
そう言って先輩は私にコンビニの袋を投げる。
袋をキャッチするとその中にはシップが入っていた。

今日の朝、階段でくじいた足。

「よしっ!」
『バシッ!』
「いたっ」
先輩は私の足を思い切りたたいて立ち上がった。
「できた」
先輩はストッキングの上から私の足を消毒して絆創膏を貼ってくれた。
「どうしてですか?」
「ん?」

思わず口から出た私の言葉。
先輩はきっと私が高校生のころから先輩を知っているということはわからないと思う。
ミスばかりで足を引っ張ってばかりの私。先輩一人ならもっと効率よく仕事ができているのに、時間をかけ、迷惑ばかりかけているのに。どうしてこんな優しさを・・・?いっそずっと叱ってくれたら私の気持ちは楽なのかもしれない。
そんなことを思っていた私からつい漏れてしまった言葉に・・