あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「おめでとうございます。妊娠8週あたりですね」
医師の言葉に私は心平を見た。その時の心平の何とも言えない嬉しそうな顔を私は一生忘れられないと思う。

心平が携帯で見ていたのは近くの産婦人科の場所だったらしい。
私の言葉にピンと来て、お腹が痛いという私の言葉に慌てて連れてきてくれた。

「私よりも私を知ってるね・・・」
個室で点滴を受けながら私はベッドで横になっていた。
症状は貧血と妊娠初期にはよくあるらしい子宮の痛みやお腹の張りだった。
点滴をしてあとは薬を内服する。しばらくは安静を心掛けて仕事もデスクワーク程度にすることを言われた。
「当たり前だろ」
「・・・」
心平は私の横になっているベッドの横に座り、私の手を握った。
「大切にしような」
「うん」
「あー。」
「なに?」
「幸せだー。早く生まれてくんないかな。会いたいな。男かな女かな。」
心平はそう言いながら私のお腹に触れる。