あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「先輩」
医務室に田口が戻ってきた。
「どうしたの?」
「あっ横になったままでいいです。」
起き上がろうとした私を田口が止める。
「山田製薬の納品書ってどこにあるかわかりますか?」
「それなら納品書のファイルの一番手前に挟んである。」
「ありがとうございます」
田口はそう言って医務室から出て行こうとして足を止めた。

「先輩の旦那さん、イケメンっすね」
「そう?」
「先輩が倒れた直後にたまたま営業Ⅱ課に来たんですよ。朝、先輩の体調が悪そうだったから昼飯ちゃんと食べてるか確認に来たって言ってました。」
「そうなんだ」
「で、先輩が倒れてるの見て速攻お姫様抱っこで医務室に運んできたんですよ?女子社員の目がみんなハートでしたもん。しかも白衣姿。あれは男でも胸キュンでしたね。」
「・・・」
「あ。ちゃんと心配してましたよ?俺」
「ありがとう」
どれだけ心平が心配してくれて焦っていたかが伝わってさらに申し訳なくなった。