「気を付けろ。ほら。荷物かせ」
心平が私の手から荷物を奪う。
「大丈夫だって」
「ダメだ。お前肝心なとこでドジだからダメだ。」
そう言って心平は私の肩を抱く。
「歩きにくい。」
「わがまま言うな」
心平は私が何を言っても譲らない。

「暑くないか?寒くないか?」
「歩きにくい」
「わがまま言うなって言っただろ?本当は来るの反対だったんだからな。」
「いいでしょ?最後のデートかも知れないよ?」
「それはない。」
「そうなの?」
そんな会話をしながらも心平は私の肩を抱いてかなり慎重に歩く。

ここは思い出の水族館。