あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「完璧ですね」
「あぁ。ちょっと恥ずかしいけどな」
そう言って先輩が耳まで赤くなった。
「先輩も乗り気なのに、照れないでください。」
「・・・こんなの初めてだからさ。」
「そうなんですか？」
「俺を知ってんだろ。こんなのするタイプじゃないのに。俺もお前に相当やられてるな。」
「やられてるって？」
私が先輩にその言葉の意味をわざと口にしてもらおうと話しかけると先輩はさらに耳まで赤くしながら靴を履いて
「行くぞ」と先に玄関を開けて外へ出た。
こんな時でも先輩は私が持っていたお弁当の入っているバックを持ってくれる。

営業の時は私に製品を持たせていたのに。二人で出かけるときは先輩は荷物を私には持たせてくれなかった。

さすがにピンクのエコバックなら持ちたがらないかと思ったのに、そういうのは見た目を気にしないタイプらしく、私の作戦は見事に失敗に終わったことを思い出す。