あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「最後に挨拶お願いしますよ」
先輩に周りの社員から声が上がる。
「えーいいですよ。」
「ダメだ。最後なんだからほら。」
石崎課長に背中を押されて先輩は仕方なさそうにみんなの方を見た。

「えー。俺、こういうの苦手なんです。きっと石崎課長がそれを一番わかっているはずだと思うんですけど。」
先輩の言葉に石崎課長が笑う。
「私がここまでやってこられたのは皆さんの支えがあったからだと思います。成績としてたくさんの積み上げができたのも石崎課長はじめ皆さんが直接的にも間接的にも力を貸してくださったからと思っています。私の夢は研究チームの一員として新薬の開発に携わることでした。その夢の一歩を踏み出せるのも、営業Ⅱ課での経験があるからと思うんです。今までありがとうございました。」
先輩は深々と頭を下げた。
「それから皆さんに最後に一つお願いがあります。」
先輩の方に営業Ⅱ課の社員が注目する。
「俺の営業外回りペアの須藤をどうかよろしくお願いします。頑張り屋で一生懸命で誰よりストイックな努力ができるやつです。けど油断すると自分の範囲を超えて頑張りすぎるところがあります。そんなときは机の上がかなり乱れて雪崩が起きそうになるんです。だから、須藤の机が乱れ始めたら、どうか須藤を助けてやってください。話を聞いてやってください。よろしくお願いします。」