先輩は私の点滴が終わるまで私の手を握り、私の頭を撫でていてくれた。

「薬は5日分出します。念のため気管支の拡張剤も出しますから、息苦しい時は使ってください。休息をとってあまり無理はしないように。」
「はい」
病院の先生の言葉に先輩が頭を下げる。

私のことなのに・・・その背中がいつもよりも小さく見えた・・・

「無理すんなよ。」
「はい・・・」
先輩はそう言って私がベッドから起き上がり上着を着るのを手伝ってくれた。
立ち上がろうとするとすぐに肩を支えてくれる。私の足はほとんど浮いた状態で先輩が抱えてくれていた。

先輩の車に乗り込むと先輩はシートベルトまでしてくれる。

自分の上着を脱いで私の膝にかけてまでくれる。