あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

薬品の準備を終えるて時計を見ると8時45分。
ぎりぎりー。私は薬品をいれた専用のバックを肩から下げて営業Ⅱ課のフロアへ戻った。
さすがに午後の分も入っているとかなり重い。

このバックは私が持つのがルールだった。いつかは自分一人で回らなくてはならない営業。
この重さにも慣れるというのが先輩の考えだった。

思いのほかエレベーターが混んでいる。
時計を見ると8時50分。

まずい!遅刻だ!私は少し悩んでから階段を駆け上がった。
バックが重い。しかもヒールで歩きにくい。

でも先輩がきっと時計を見ながら私を待っている。そんな姿の想像がついて私は必死に階段を駆け上がった。

「わぁっ!!」
最後の最後で転びそうになった私は必死に薬品を守った。
これで薬品を割ってしまったり、ばらばらにしたら今日の業務内容が回らなくなる。

何とか薬品を守り切ることができた私は残りの階段を駆け上がり営業Ⅱ課のフロアへ着いた。