あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「知佳さ。」
「ん?」
「家賃もったいないし。ご両親の了承も得てるから、本格的に俺の部屋に引っ越してこないか?」
「・・・」
私は先輩に腕枕されながら先輩からの提案を聞いていた。

「今すぐだと手続きもあるだろうから、何か月かかかるかもしれないけど。俺も手伝うからさ。」
とっさに私は先輩の現状を考えた。
「まずは少しずつ片付けしたいから・・・ちょっと時間ください。」
「だよな。ごめん。また俺焦らせたよな。」
「うんん。うれしいです。」
本当は私だって先輩と一緒にいたい。でも、これから先輩は新しい部署で毎日忙しくて・・・転勤の話しだって来る。先輩よりも先に知ってしまった私。だからこそ、ストップをかける自分。

きっと先輩はニューヨークの研究チームに入ることができると知ったら喜ぶはずだ。
そうなれば、私と一緒に暮らしていれば私がその時こそ本当に足かせになってしまう。

先輩が転勤することになったら私たちはどうなるのだろうか・・・