あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「大げさに言ったけどさ。半分以上本当の話だけどさ。」
再び私は笑う。先輩の考えがうれしいのと、かわいいのと。気持ちが急にほぐれたのとで思わず笑ってしまった。
「そのくらい俺はお前が好きだってことだ。大事だってことだ。だから、お前がつらそうにしてんのも、頑張りすぎて疲れてんのも、気持ちがぱんぱんに膨らんで涙流してんのも、見たくない。ほかの誰にも見せたくないけど、見たくない。矛盾してんだけどさ。」
「・・・」
「言っただろ？お前ががんばりすぎると俺がしんどいって。」
「・・・」
「なんでお前は俺をもっと頼らないんだよ。俺はお前に頼ってほしいんだよ。もっとお前の中に俺の存在をで隠したいんだよ。もう縛り付けたい。ポケットに入れて持ち歩きたい。ぎゅーって抱きつぶしたい。頬っぺたかじりつきたい。」
暴走する先輩の言葉に私が少し顔を引きつらせると
「俺の心のなかはいつもこんなこと考えてんだぞ？引いたか？」
「・・・うん・・・」
「こら。」
私の返事に先輩は笑った。
「愛してる」
先輩の言葉はいつだって私を救ってくれる。光をくれる。
いつの間にか止まった涙。
先輩は私の流した涙のあとにキスをした。