あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「なぁ。知佳。」
「・・・」
「お前の気持ちを俺は全部わかってやることできないんだけどさ。でもこれだけは言っておくぞ？」
「・・・」
先輩は両手で私の頬を包み込む顔を近づけた。
「俺は何度だって同じこと言う。知佳が好きだ。今の知佳も昔の知佳も。これからの知佳も。きっと変わらない。この気持ちは。この先何があるかわからないけどさ。そのくらい俺の中で知佳の存在はでかいんだよ。」
言葉を選びながら慎重に話をする先輩がどれだけ私を想ってくれているか伝わる。
「抑えようとしてもいろんな気持ち、知佳相手だと抑えられない。こんなの初めてなんだ。本当だったら知佳を今すぐ俺のものにして家から出したくない。独り占めしたいし、どこにも出したくない。誰とも話してほしくないし。取引先の変態ヤローの目にも触れさせたくない。」
先輩の言葉に思わず私は吹き出した。まじめな話をしているのに。先輩の素直な言葉を聞いて私の心がほぐれる。
「俺、お前が思ってるよりどろどろしてるし、変態だし、最低なことかなり考えてる。あっ、ほかのやつには内緒にしろよ？俺のイメージが壊れるから。」
先輩も少し笑い交じりに話す。
そんな先輩に私は頷いた。