あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「教えて」
先輩の言葉に私の涙が再びあふれ出す。
先輩は私の頭を撫でながら話を聞こうとしてくれている。
待ってくれている・・・

でもうまく話せるかわからなくて私は首を横に振った。

「まとまらなくても、うまく言えなくてもなんでもいい。話してほしい。」
「・・・」
私は先輩の首に自分の手をまわした。
先輩は強く私の体を抱きしめ返してくれる。

いつだってそうだ。

先輩は私に背中を向けず、話を聞こうとしてくれる。
言葉を伝えればちゃんと言葉を返してくれる。

私がぶつけたどんな言葉も真剣に考えて、ちゃんと先輩なりの答えをくれる。