「あんまりのむなよ?お前強くないんだから。終わったら連絡しろよ」
「はい。行ってきます。」
今日は私の同級会。先輩が送り迎えを名乗り出てくれた。
会場の前で私を降ろしてから先輩はどこかで時間をつぶすらしい。

「知佳」
懐かしい声に振り向くと同級生たちが会場の入り口に集まっていた。
「今のイケメンてもしかして伝説の桐谷先輩?」
「・・・そう・・・」
「えーっ!?」
私は一日女子たちの話題の的になった。

「まさか知佳が桐谷先輩と付き合ってるとはねー。」
私は恥ずかしさを紛らわすためにビールを一口、また一口と口へ運んだ。

「でも、先輩の彼女ってプレッシャーない?」
「そうよ。並んで歩くだけでもかなり目立つし。ライバルの女子も多いでしょ?頭もよくて顔もよくて性格もよくて。」
「私なら劣等感感じちゃうなー。」
友達の言葉は今の私の心をそのままに表しているようで、ストレートに響き渡った。