心平先輩が入る委員会はいつも人気が爆発して、大変なことになるからと学校もギリギリまで先輩がどの委員会に入るかは口外しないようにしているほどで、こんな特別待遇も心平先輩を知っていれば納得の対応だった。

心平先輩には勝手に告白してはいけないルールがあって、高校にはファンクラブがあり、その幹部の人たちが告白する女子のスケジュールを管理するほどだった。

私も心平先輩にはかなり興味があった。でも、恋心の”好き”とは違って、芸能人に対して感じる”好き”や興味、会ってみたい、話してみたいという思いに似ていた。

でも・・・
実際に至近距離にこんなにきれいな顔がくると、恥ずかしい。かなり動揺している自分がいる。

走った後だし、今日は体育があるとわかっていたから化粧もしていない。
汗臭くないかな?ハンドタオルのせいで前髪がぼろぼろ・・・

一瞬にして自分の状況を想像して恥ずかしくなる。

私は先輩に顔を見られないようにハンドタオルで自分の顔の8割を隠した。