あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「いい彼氏を見つけたな。」
父と私が先輩の方を見ると先輩は緊張気味に微笑んでいた。

「さっ、話は終わったかしら。」
ちょうどそこへ母が戻ってきた。
「知佳。ちょっといい?」
母はそう言って私を隣の部屋に呼んだ。
「大丈夫か?」
先輩は立ち上がるのを手伝ってくれた。
「桐谷さんはここにいてね?」
母の言葉に先輩が私から離れる。

代わりに母が私を支えてくれた。

「お父さんの話。聴いたでしょ?」
「うん・・・」
「母さん、お父さんにもう一度一緒に暮らさないか聞いてみようと思って。」
「・・・」
「こんな時、やっぱり男手も欲しいし。お父さんの体も心配だしね。」