あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

目を覚ますとそこは私の部屋だった。

私の部屋と言ってもすでにほとんどのものを自分のアパートにはこんでいたからほとんど荷物はない。ベッドの上から部屋を見渡して、深呼吸してから私はベッドをでた。

手すりにつかまりながらゆっくりと階段を降りていると、
「起きたのか?」
と階段の下から慌てて父が階段を登ってきた。

久しぶりに見る父。行方が分からなくなる前も就職試験で忙しくてしばらく会っていなかった。

父は私の手を取り背中を支えようとしてくれる。

なのに・・・
「離して」私はそう言って父の手から逃れようとした。

「危ないっ!」
階段の途中で手を振り払った私はまだ足元がふらついていてバランスを崩した。