あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

先輩と連絡をとらなきゃ。下手に動いたら連絡もうまくつかない今、はぐれる可能性が高い。

私はその場から動くこともできずにいた。

そうしている間にも再び『ビービービー』と携帯が鳴り始める。
その場にいる全員の携帯からなる非常音が余計に恐怖をあおった。

もしかしたらさっきの地震が余震の可能性もある。だとしたらここも危ない。
でも先輩が来ない。

「・・・先輩・・・」

棚の物がたくさん落ちている。
窓ガラスがひび割れていたり割れている場所もある。

壁に一直線に入ったヒビ。どこから出ているのか煙か砂ぼこりが待っていて視界はかすんで見えた。

「心平先輩・・・心平先輩っ!」
私と同じように誰かを呼んでいる人も多く、その声に負けないように私は声をあげた。