強く強く抱きしめた。
「ん?どうした?」

幼いころの先輩もすべて抱きしめたい。

先輩の抱えているもののすべてを一緒に抱きしめたい。

「先輩は先輩です。私はどんな先輩でも好きですよ。生まれてきてくれたことに感謝してます。」
「・・・」
「だから、私にはありのままの先輩を見せてください。本音をぶつけてください。」
「・・・」
「大好きです。」

察しのいい先輩はそんな私の足りない言葉でもすべてをわかってくれた。

グイっと私の体を抱きしめ返してくれた。
「ありがとう。」
「いいえ」
なぜか私が泣きそうだった。