先輩はスーパーに入ると主婦たちからの注目を集めていた。
真っ先にカゴを持ってくれる先輩。私はそのカゴに必要なものを入れていく。





「なに作ってくれるんですか?奥さん」
「もう。」
茶化す先輩に私が照れると先輩はカゴをもったまま顔を近づけた。
「お任せください。」
と小さな声で言うと「楽しみにしてる」と先輩は微笑んだ。

いろいろな先輩の顔を見ることができて、隣を歩くことができて私は幸せ者だ。
知らない先輩を知るたびに気持ちはどんどんと大きくなっていく。

自分の気持ちがどこまで大きくなるかわからない。
でも、まだまだ先輩を想う気持ちは大きくなっていく予感がしていた。