先輩のお母さんはかなり手際よく料理の仕上げをしていた。私は盛り付けを担当する。
「私ね、あの子が小さい時に主人を亡くして、立ち直れなかったの。ちゃんと母親じゃなくてまだ心に女の部分が大きかったのね。2年ほど私の実家に心平を預けて、会いにすら行けなかった。そのあと少しずつ会いに行くようになったけど。そのころには引き取る自信が無くなってしまった。」
お母さんが手を止めないまま話を続ける。
私にはご主人を亡くされた先輩のお母さんの気持ちが少しわかるような気がした。
「そしたらあの子。子供らしさが無くなっていてね。きっとこんな母親の子供でしっかりしなきゃって気負わせてしまったのね。周りからの評価ばかり気にして。本当の自分を隠したまま求められる姿になろうって・・・。ほら、あの子かっこいいでしょ?そんな外見のせいで余計にあの子が気を許そうとする人が理想像をあの子に押し付けてきてね。私が今の主人の支えを受けて、あの子を引き取った時、あの子は子供らしさを完全に失っていたわ。」
そこまで話をすると先輩のお母さんは手を止めて私の前に立った。
「私のせいであの子と一緒にいると苦労させちゃうかもしれないけど。あの子のことよろしくね。本当にいい子なの。あ、でも間違えていたりあの子が思いやりを忘れることがあったらちゃんとダメって言ってやってね?」
お母さんが私の手を握りながら話す。
「私ね、あの子が小さい時に主人を亡くして、立ち直れなかったの。ちゃんと母親じゃなくてまだ心に女の部分が大きかったのね。2年ほど私の実家に心平を預けて、会いにすら行けなかった。そのあと少しずつ会いに行くようになったけど。そのころには引き取る自信が無くなってしまった。」
お母さんが手を止めないまま話を続ける。
私にはご主人を亡くされた先輩のお母さんの気持ちが少しわかるような気がした。
「そしたらあの子。子供らしさが無くなっていてね。きっとこんな母親の子供でしっかりしなきゃって気負わせてしまったのね。周りからの評価ばかり気にして。本当の自分を隠したまま求められる姿になろうって・・・。ほら、あの子かっこいいでしょ?そんな外見のせいで余計にあの子が気を許そうとする人が理想像をあの子に押し付けてきてね。私が今の主人の支えを受けて、あの子を引き取った時、あの子は子供らしさを完全に失っていたわ。」
そこまで話をすると先輩のお母さんは手を止めて私の前に立った。
「私のせいであの子と一緒にいると苦労させちゃうかもしれないけど。あの子のことよろしくね。本当にいい子なの。あ、でも間違えていたりあの子が思いやりを忘れることがあったらちゃんとダメって言ってやってね?」
お母さんが私の手を握りながら話す。



