あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

思わず言葉を止めた私に先輩は満足そうに微笑む。
そして、「あれって」と先輩が私のベッドの横にあるストラップの方へ向かった。

「カンタ君?」
「そうです。」
「大事にしてくれてんだ」
「当たり前じゃないですか。」
私が思わず本気で先輩にこたえると先輩は満足そうに笑った。
「これって」
と先輩がストラップの横にあるノートを手にする。
「あーダメです!」
先輩からそのノートをとろうと私が手を伸ばすと
「手!」と先輩が声をあげた。

医師からあまり手を使わないようにと言われている私に先輩は手を使わないように厳しい。
私がひるんだすきに先輩はそのノートを開いた。
「お前、これって持ってきていいやつなの?」
とノートのページをめくりながら先輩が話す。
「ダメです。でももう、時効ですよきっと。」