あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「そりゃ。大切だからだろ」
先輩は前を見たまま話す。
「大切？」
「そうだよ。お前は俺の大切な相方だからな。」

やっぱり、仕事上のパートナーだからか。

一瞬期待した自分がなんて現金な奴なのだと思いながらもう一度私は先輩の方を見た。

「あくまで私たちは相方ですから。先輩にこれ以上のことをしていただくわけにはいきません。」
自分の言葉が先輩との間に一線を引いてしまうことをわかっていた。でも言わないといられなかったのは自分自身にも言い聞かすためだ。



私たちのこの関係はあくまで”営業外回りペア”なのだと。