「須藤」
先輩が私を家に送りながら話始めた。
「はい」
「お前、俺んち泊れ」
「は?」
私は不意打ちの言葉に先輩の方を見た。
「は?じゃない。今日からしばらく俺の家に泊まれ。部屋も余ってるし。」
「ダメでしょ。」
「なにが?」
「何がって・・・。先輩、私が女だって知ってました?」
「知ってるよ。ばか。」
先輩の提案の意味が理解できない私は先輩を食い入るように見た。
もしかして夢かもしれないと思う・・・。

「一人にできないだろ。」
「同情でそこまでしていただくわけにはいきません。本当に。」
「それに半分以上俺の責任だ。」
だからか。合点がいった。
先輩は私と琢磨を再会させてしまったのは自分のせいだと思っているから放っておけないんだ。罪悪感か。