私の体の震えはなぜか止まらないまま私は先輩と一緒に先輩の車で近くの病院に向かうことになった。手首の診断書をもらって琢磨がしたことへの被害届を提出することになるからだと説明を受けた私たち。私は今は何も頭に入ってこないでいると
「俺がちゃんと聞いておくから。」
と先輩は私の肩に自分のコートをかけてくれた。

「ありがとうございます。」
私は今日は先輩に甘えることにした。

うまく歩けていない私の肩を抱くようにして先輩は近くにとめていた自分の車に私をのせてくれた。

助手席で震える自分の手をギュッと握りしめて止まらない涙を流す私。

そんな私の握りしめた手を先輩は片手で包んでくれた。
「怖かったです・・・」
「あぁ。」
「先輩が来てくれてよかった・・」
「守るって言っただろ。」
「・・・はい」
先輩の言葉に余計に私の涙が止まらなくなる。