あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「須藤っ!!!!」
その声に私は顔をあげた。

私の視界にスーツ姿の心平先輩がものすごい速さで走っている姿がうつった。

その瞬間涙があふれる。

琢磨は先輩に気が付くと私の手首をギュッと握り無理やり立たせた。
「痛いっ!」
あまりの痛みに私は琢磨の手を自分の手首から放そうとする。
でもその力にはかなわない。

自分の手首が折れるんじゃないかと思う力で握られる。
痛くて先輩の方を見たいのに顔が自然とゆがんでしまう。

「琢磨・・・はなして。お願い」
私が琢磨にお願いをしても琢磨の私を見る目は鋭いままだ。