あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

次の日。
さすがに定時に上がることができた私は会社を出た。先輩はすでに退勤している。

会社から出るとあたりは暗くなっていた。
日が沈むのが早くなった。

私は薄手のコートのそでに自分の手を入れた。
少し肌寒い。



「知佳」
急に後ろから呼ばれて私は全身が硬直した。


この声を聞き違えるはずがない。
「なんで契約交渉に来なかったんだよ」

そしてこの声の主が明らかに不機嫌だということもわかっていた。