あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「じゃあ、これ、まとめといて」
「すみません」
先輩は高瀬との交渉には同期の社員を誘った。私は先輩が不在の間は主に書類作成が仕事だ。
私が申し訳なくて先輩に頭を下げると先輩はまるで『気にすんな』とでもいうように微笑んで出かけて行った。

いつも一緒にいる先輩がいないフロアはやけに寒く感じる。

あと半年もしたら先輩がこうしていなくなるかもしれない。
そんなことを考えながら先輩の机を見た。

いつも整頓されている机。

私の机の上はいつもものがたくさん乗っていて、先輩がなだれ起きたら罰金だぞと言ってくる。
もしかした必要かもしれないとなんでも用意してしまう私。

先輩はないものは借りればいいという考えで、私の机のどこに何があるかを把握していて、私のものをまるで自分の物のように使った。