あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「よかった」
先輩はそういうと安心した顔をしていた。
「じゃあな。用心しろよ。」
「はい」
「なんかあったら連絡しろ。」
「はい。ありがとうございます。」
先輩は小さく手を振って車を走らせた。

車が見えなくなるまで見送った私は自分のアパートの部屋に戻った。

ベッドにスーツ姿のまま寝転がる。

過去の記憶がよみがえった。

実家にまで押し掛けるようになった琢磨。
両親がいない時間に押しかけてきて・・・

もうとっくに消えた手首のあざを思い出してそっと触れる。