あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「ありがとうございました。」
私が助手席から降りて先輩に挨拶しようとすると
「須藤。」
と先輩が私を呼び止めた。
「はい?」
「やっぱり高瀬との取引にお前を連れてはいけない。」
真剣なまなざしで言う先輩。
「?」
「こうして送ったって、俺はお前を守り切れないだろ?」
「・・・」
「朝はどうする?買い物に行くときは?ちゃんと守れないのに無責任にお前を危ない場所へは連れていけない。」
先輩の言っていることはもっともなのかもしれない。

私自身も大丈夫という確信が持てない。
「・・・わかりました。」
私はそう言って頷いた。