「今日からお前、俺と一緒に帰れ。」
「え?」
「絶対に単独で連絡を取らないこと。」
「・・・」
「危ないと思ったら俺は止める。その時はちゃんと聞けよ。」
先輩の言葉に私はすぐに返事をした。

本当は怖い。
でも仕事だ。

もう少しで契約が取れるかもしれない。
もしも契約が取れたら、かなり会社にとっても大きな利益になることは目に見えていた。

それに、あの時よりは私も大人になった。
うまくかわせるようになったかもしれない。

そんな自分の過信が後から大きな後悔につながることを私は想像すらしていなかった。