「私の元カレです。」
「そっか」
「大学生の時に付き合ってたアルバイト先の先輩です。」
「そっか」
「なぜか同じシフトに入ることが多くて。家までよく送ってもらっていました。仕事がよくできて、私にいろいろと教えてくれました。」
「・・・うん」
先輩は私が話すことを真剣に聞いてくれている。
「すみません。完全にプライベートな話なんですけど・・・」
「別にいい。今は休憩だと思え。」
そう言って珍しく先輩は私の話の聞き役に徹してくれている。

「結論からすると、偶然は何ひとつなくて・・・全部計算だったんです。」
「計算?」
「はい。シフトをあわせていたのも、同じバイト先にいたのも。全部。」
「何となく話がよめてきた。」
「ばかな私はそんなことに気が付かず・・・」
そこまで話して私が言葉に詰まると先輩は私の頭を撫でてくれた。