あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

「今日から新規、お前がやってみろ」
先輩の言葉に私は「へ?」と気のない返事をする。
「へ?じゃない。はいだろ。」
「・・・はい」
取引先では先輩は最近私の一歩後ろに下がってなるべく私に話の主導権を握らせようとしてくれている。でも新規の契約に関しては今まで私は先輩のあくまで補佐役だった。

どんどんと先輩は私に新しい仕事を任せてくるようになったのはそれだけ私が成長できているのかもしれないと嬉しくもある。でも同時に離れる日が近くなるようで寂しくもあった。

親鳥と離れるひな鳥の気分・・・

「新規をとれるようになってこそ一人前だ。」
「・・・はい」
一生けん命私に仕事を教えてくれた先輩に申し訳なさもあり私は返事を返した。
私が成長できなければもちろん先輩自身の評価にも関わる。

どんどん離れていく日が近づくことを感じながら私は新規の契約をとるためのスキルを先輩から教わった。