あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

ふと先輩の部屋を見渡すとかなり散らかっていた。
「悪いな。今週は片づける余裕なかった。」
先輩がそう言いながらソファの上の毛布をたたんでスペースを開けた。

「先輩、座ってください。私タクシー来たら勝手に帰るんで。」
私は自分が持ってきた買い物袋から体温計を出した。
「ほら。座ってください。」
買ったばかりの体温計のパッケージを開けて先輩に渡し、先輩の腕を引いてソファに座らせた。

よほど体調の悪いらしい先輩はおとなしくされるがままにしてくれている。
「はかってください。」
「お前、結構金使っただろ？タクシー代もあるし。いくらだ？」
先輩が立ち上がろうとするのを私はすぐに止めた。

「いいんです。今度おいしいランチおごってください。」
「・・・了解」
先輩はすぐにソファに戻った。

「薬、飲みました？」
「ない。薬。」
「先輩、ちょっと寝ていてください。」
私はすぐにキッチンへ向かった。