部活に行く前に
日直の日誌を書いていた
一緒に当番だった男子が
「あ、オレ書くよ!」
声をかけてくれた
「いいよ、大丈夫
先に部活行って、私、出してくるから」
彼はバスケ部だった
どの部活も、最後の年
引退まで、あと1年ない
「ハルト、待ってると思うよ」
私が書いてる日誌を取り上げて彼が言った
「え?…ハルト?」
「そう、ハルト!
ハルト、いつも
アイツがいるから頑張れるとか
オレに言ってくるからさ」
彼がニヤニヤして言った
アイツって、私…?
ハルトが友達にそんな話
してることに驚いたし
なんとなく恥ずかしくなって
私は何も言えなかった
「サッカー部には言えないって
いつもオレに言ってくる
ハルト、だいぶ…イヤ、かなり、大好きだよ」
日誌を書きながら彼が言った
ハルトに直接言われたわけじゃないのに
耳が熱くなった
「そぉかな?」
私は照れ隠しに惚けた
「今は言えないって
でも、毎日、好きだって思ってるって
ハルト言ってたよ」
すごく恥ずかしくなって私はうつむいた
「なるほどね
そんな顔されたら
ハルトも好きになるの、わかるわ」
完全に私からかわれてる?
「もぉ、からかわないでよ」
「や、ホントに
たぶん、こんなふうにふたりで話してるの
ハルトが知ったら
相当ヤキモチやくと思うな
オレ、殺されるかも
よし、書き終わった!」
彼が笑いながら言った
私達は結局ふたりで教室を出た
「じゃ、ハルトによろしく」
彼は、体育館に向かった



