そう言った輝くんは、驚きの中にも、優しい表情を浮かべていた。


『そうなんだ。本当にびっくりだね。私は、そこの本屋さんに寄ってたの』


私の雑誌と、悠人に頼まれた本を買いに行ってたんだ。


『そうなんですね。あの…穂乃果さん…今から時間とかないですか?もし良かったら、一緒にご飯に行きませんか?』


え?


ご飯って…


2人きりで?


悠人は、今日は遅くなるみたいだけど、やっぱり、2人きりは良くないよね…


例え、お互いに、恋愛感情がなかったとしても…


『あ…ごめん、せっかくのお誘いなんだけど…ちょっと…』


私の、その言葉に被せるように、輝くんが言った。


『だったら、10分だけ時間下さい。ここで、ちょっと待ってて下さいね』


そう言って、すぐ目の前にあるカフェに飛び込んで、テイクアウトで飲み物を買って、戻って来た。


『ミルクティー、好きでしたよね。どうぞ』


『ありがとう…わざわざごめんね』