『悠人…私、十分、幸せにしてもらってるよ。美容師としても、女としても、ちゃんと。本当に、感謝してるから。そんなに今からプレッシャーに感じないで』


私は、運転しながら、答えた。


『プレッシャーなんて…感じてない。本当に、ただ、幸せにしたいと思ってるだけだ。それが、男としての責任だしな。ただ、最近は、仕事が多くなって来ているし、穂乃果のための時間を取るのが、難しい時もある。子どもが出来ても、十分に面倒を見てやれるか…そんなことを考えたら、時々不安になる。穂乃果に寂しい思いをさせてしまうことで、いつか、愛想をつかされてしまうかも知れないって…』


嘘…悠人、そんなこと考えてたんだ…


子育てのことまで…


『私は…悠人がいてくれるだけで、いろいろ頑張れる。例え、仕事で側にいられなくても、旦那さんが悠人だって言う事実だけで、十分だよ。今だって、悠人のおかげで、私は前に進めてる。だから、そんなことは心配しないで…寂しい思いなんてしてないから』