始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から

私、月城先輩のこと、好きなの?


そんなの急にわからないよ…


今の今まで、しばらく恋愛とは無縁だったのに。


いきなりこんなの…


有り得ないよ。


そんな思いとは裏腹に、私は先輩にずっと身を委ねていた。


『穂乃果…答えは?』


抱きしめられたまま、私は、精一杯答えた。


『先輩…すみません、私、先輩の言葉、上手く理解出来ないです。それに、今はもっともっと美容師として頑張らないとダメで…もし、恋愛なんかしたら、その気持ちが揺らぎそうで…実際、親からもお見合いしろってうるさく言われてます。それも、ずっと断ってて…』


『お見合い?相手は誰?』


そう言いながら、先輩は、私を優しく離した。


『うちの両親の仕事は、昔から代々続く和菓子屋で、そのお得意様の息子さんなんです。お父さんの会社の専務をされてて、どうしてだか、私なんかを気に入って下さってるみたいで。だから、両親はすごく乗り気で…』