『悠人さん、急に呼び出してすみません、お忙しいってわかってたんですけど…』


『いや…』


俺は、父との仕事が終わってすぐに、シャルムに戻った。


梨花ちゃんに、呼び出されたからだ。


こんなことは初めてだった。


きっと、仕事のことで、他のスタッフには言えない何か大事な用事があるんだと思った。


『仕事で何かトラブルがあった?』


『あ、いえ、あの、私…』


彼女は、それから少し間をあけて、続けた。


『実は、悠人さんに言いたいことがあって…』


『俺に言いたいこと?』


『はい…私…月城美容専門学校のことで、悠人さんのアシスタントを外されましたよね。あの時、正直、すごく悲しくなりました。あれから、いろいろ考えても、その理由がわからなくて…私、どうして外されたんでしょうか?』


『言いたいことって、もしかして、そのこと?』