そのあとお母さんはかかってきた電話を切ると、あわてて出かけてしまった。
さっき言いかけたことが少し気になったけれど、大事なことだったら改めてきちんと話してくれるだろうと思ってあまり気にはとめなかった。
朝ごはんを食べ終えて、リビングのソファでグダーッと寝転びながらテレビをつけた。
春休みとはいえ平日なので朝の時間帯はニュースばかりで、見ていたら眠くなってくる内容ばかり。
さっき起きたばかりだっていうのに、もう眠たくなるなんて……。
うとうとしながら、気づいたら目を閉じていた。
***
心地いい眠りについていると、何やらインターホンが鳴ってるような音が遠くからする。
まだ意識が完全に戻っていないので、これが現実なのか夢の中なのかさまよっている状態。
「……ん、」
でもインターホンの音は鳴り止むことなかったので、徐々に音が鮮明に聞こえてくる。

