隣に座る芭瑠くんをジーッと見ていると。
「どうかした?構ってほしくなっちゃった?」
なんて言いながら、わたしの髪にそっと指を絡めてくる。
「ち、ちがぁう!なんでいきなり転入なんて!」
「そりゃ芙結には僕のそばにいてほしいし?」
だからってここまでやってしまうのかお金持ち。
わたしだって芭瑠くんのそばにはいたいけど、少しは相談してくれてもいいんじゃないのって思う。
同居も転入も、わたしには何ひとつ知らされることなく進んじゃってるし。
「でも……不安だよ……」
いきなり学校変わって、自分が転入生になるなんて。
新しい環境で学校生活送らなきゃいけなくなるんだから。
「あー、そうだよね。その指輪どうしようか」
「は、はい??」
えっ、なんかわたしが不安に思ってること勘違いしてない!?
ってか、指輪って何が!?

