***
「さあ、どうぞ。学校までお送りいたします」
柏葉さんが車のドアを開けて、にこにこ笑っている。
結局あれから転入のことを聞かされて、もう決まったことだからと言われ、流されて制服を着てしまった。
ここの学校といえば、お金持ちで頭が良くないと通えないと言われるかなりの名門校。
制服のデザインはかなり可愛くて、
白の丸襟に赤の紐リボン。
薄い茶色のチェック柄のワンピースに同じ色のボレロ。
ま、まさか自分がこの学校の制服に腕を通すことになるなんて信じられない。
緊張したまま車に乗り込むと、芭瑠くんも制服姿になりわたしの隣に座る。
って、なんでこうもわたしが知らないところで淡々といろいろ決まってるのかな!?
なんかこれ同居が始まった日にも同じことを思ったような気がするんだけども!
「それでは発車しますね」
そもそもなんで車で通学なのって感じだし!

